8.シンクロニシティ
時を遡りながら、ちょっとしたシンクロニシティのお話。
きっかけは、仙台で起きたBiS騒動。
インフルエンザでの1名離脱に始まり、「大人」を排除しメンバーだけでやることを決めた仙台ライブ前に、ある大人が乱入して、とんでもない事を言ってBiSメンバーを始め、共演していた非常階段さんが激昂したり、その前には吉田豪さんがBiSのゴタゴタは笑えないというなど、ただ事ではなくなった。
BiSさんがその後どうなったかについては置いておくとして、BiSさんのサウンドプロデューサーとして名前の挙がる事の多い松隈ケンタさんがこんなツイートをしていた。
いろんな騒動があるけれど。
売り手も買い手も、話題や流行りに意識が行き過ぎて、嘘や演出だらけになってる。
もちろん、音楽を聞いてもらう為に演出は必要やけど、度が過ぎるといつか違和感、それが音楽家。
演者も、作家も、奏者も、素直に評価される時代が来るといいな。
— 松隈ケンタ【SCRAMBLES】 (@kenta_matsukuma) February 12, 2014
BiSといえば、「良い楽曲を聞いてもらうためにだったら、何が出来るのか」という悩みに対して邪道を選んだと思っている。気が付けば「楽曲はいいのにね」なんていう言われ方をしている。
事実、その話題性を求めていた結果として、楽曲は好きだけどPVが大嫌いと言われたりしてるし、私も「Primal.2」については早くアルバムで聞きたいし、あのPVは大嫌いだ。
さて、仙台での事件を遡る事2日。
別のアーティストさんが、松隈さんに近い事を言っている。
個人HPで名言を製造し続けるグラサンことRevoさんである。
最後にちょっと真面目に語るなら……
作品が作品の本質以外の部分で評価される世界には今更だが寂しさを感じる。
ある種の人気商売にとっては、付加価値の方が商業的なプライオリティが上になってしまっている。
それは僕如きレベルのクリエイターでも日常茶飯事で直面する問題だ。
売り方に関する諸問題を除外したとしても、
作品は100%作者が意図した形では人には伝わらない。
純粋な【何か】があったとして、受け取り手のパーソナルな部分がそれを歪めてしまう。
そこに【絶対】はアリ得ない。
それは、観測者と素粒子の振る舞いの関係にも似ているかも知れない。
馬鹿だなと思う。でも自分はそうじゃないとは言えない。
その辺の感覚に対しては、この仕事を始める時にもう腹は括っている。
今はただ伝えよう努力しているだけ。すべては無理だとしても、ちょっとでも。
せめて、諦めなかったという痕跡だけでも。
仙台での事件の後にこれを読んで、シンクロニシティを感じたのだが、
この人は、以前から自分の作品が100%伝わるわけがないという事。物事には裏があるという事。だから、自分で考えて自分なりの答えを探してほしいと言っていて、それは3年前のインタビューで、5年も前に作られた、レコード会社移籍後最初にして、SoundHorizon研究の礎になる名盤「Roman」についてのインタビューにもあった。
Q:また、Romanみたいなアルバムを出してください
A:(略)ところで、君は本当にRomanの全てが分かったのかな?Romanはもっともっと聞き込んでいけるアルバムです。
みたいなことを言っている。事実、Romanは大量のダブルミーニングが隠されていて、ネット界には大量の解釈が転がっている。
そこには、現在までつながるSoundHorizon世界観の中での生と死・輪廻転生。両親の愛。プレゼントされた暗号から広がる新しい解釈。他のアルバムとのつながり。そして、このアルバムを前にSoundHorizonを去った戦友への言葉。どれもファンが必死に紡いだ新しい物語。
だから、ファンは考える。何をアーティストは伝えたかったのか?を。
Revoさんの話は最後にこうやって占められている。
僕は恐らく最高の音楽が生まれるなら悪魔に魂を売っても良いと思う側の人間なので、
したり顔で誰かを責めたりする気には到底なれないな。
でも、結局のところ【最高の音楽】なんて胡散臭い代物は主観に大きく依存する概念だから、
嘘を吐いても吐かなくても砂上の楼閣であることには変わりない……。
でも、目指そう最高。地球、銀河、いや全宇宙で!
熱い少年の心で僕は頑張る!
中二? いや、小ニだよ? 大人になんてなってやらないんだぜッ!d(ゝc_,▼*)
結局ゴールなんてない。それでもゴールに向かって、楽しく走るって言っている。
これを見たら、何をしたってBiSちゃんの中にある最高だったら良いんじゃないか?と思うようになっていた。それに彼女達が僕たちを大きく傷つけるような選択はしないだろうと。
ライブ翌日の夜。BiS解散が決まって湧く中、Revoさんのホームページが面白いことになっていると聞き、この話に感動した。それとともに、点と点だったBiSとサンホラがつながって、この記事を考え今日に至る。
そして今日。
私がブログを書く前に、ライブから2日。投稿して4日たったRevoさんのブログがニュースになる。
それを見た松隈さんのツイートがこれである。
Revoさんおもしれー!!
— 松隈ケンタ【SCRAMBLES】 (@kenta_matsukuma) February 13, 2014
私の中で、点と点だったBiSとサンホラ。それが、ある1つの事件の問と答えで結びついた次の日。こんな形で、私のブログより先につながるとは思わなかった。
これが、私に起きた奇妙なシンクロニシティのお話。
他にも、文化放送レコメン!のツイッター大喜利で、BiSさんをお題にして頂いて、「笑いにする」という事で、この悲劇に対しての終止符を打たせて頂いたり。
BiSって自分の周りの100人は知らないけど、その周りの1000人は知ってるし、その周りの10000人は好意的に考えてくれる人が居るような気がした。
解散まであと145日。
追記。
多分、他のアイドルよりBiSが好きな要因の1個は、サンホラにはまりまくっていたってのも1つあると思ってる。サンホラもBiSも音楽の重さを感じられて好き。音楽のそういうルーツを遡っていくと図書館で借りたアルフィーだったりします。あと避けて通れないイトケン・下村さんのスクウェアRPG全盛期。だからODD超好きなんだと思う。